愛しのハイウェイ
阪神高速
ルート66
伝説的なシンガー、ナット・キング・コールが歌った「スターダスト:Stardust」、「モナ・リザ:Mona Lisa」、「ラブ:L-O-V-E」などの曲は、いまやスタンダード・ナンバーとなっています。1956年のアルバム「アフター・ミッドナイト:After Midnight」に収められていた「ルート66:Get Your Kicks on Route 66」もそのうちのひとつです。ルート66は、シカゴとロサンゼルスを結ぶ総延長3,900kmのハイウェイで、建設が開始されたのは1926年、完全に舗装されたのは1938年でした。30年代に大きな経済不況が米国を襲ったとき、職を求める人々がこのハイウェイを西へ向かいました。移住する人々をえがいたジョン・スタインベックの「怒りの葡萄:The Grapes of Wrath」では、このハイウェイを「母なる道:The Mother Road」と呼んでいます。曲のほうは「ルート66の旅はご機嫌」という明るい歌詞。40年代になって作曲家になろうとロサンゼルスに向かったボビー・トループは、同じ職探しでも心が弾んでいたのでしょう、運転しながら軽快なテンポで作曲しています。ルート66は、全米に張り巡らされたインターステイト・ハイウェイに分断され、いまは部分的に「歴史的なルート66:Historic Route 66」として残るだけです。
すでに世を去っていた父親ナット・キング・コールの声とデュエットしたナタリー・コールの「アンフォゲッタブル:Unforgettable」は1991年に全米1位の大ヒットとなり、グラミー賞を7部門も獲得しました。父が歩いた道を娘も歩きつづけています。
2015年12月31日にナタリー・コールが亡くなったとの記事がありました。ご冥福をお祈りします。